ガラスペンについて

インクがボタ落ちしにくいガラスペン
- インクをたっぷりつけてもボタ落ちしにくい。
- 転がりにくい形状。
- ペン先が割れにくい。
- きゃろくろだけのデザイン。
様々な工夫を施したこだわりのガラスペンを作っています。詳しくはオンラインショップの商品ページをご覧ください。
ガラスペンに実際にインクをつけて書いたペン先データ紙が付きます。それぞれのペン先の特徴がわかりやすくなっています。
最近の作品《2025.11 一輪のバラ》
2025.11
バラを作った。これは記念すべき作品だ。この作品でさらにディープなガラスの世界に踏み込んだ気がしている。この作品を作った経緯を話そう。






友人にキャロちゃん(ガラスのおばけ)のバリエーションで頭の上に星を手にはバラを持ったものが欲しいといわれた。それはもう切実に欲しいらしかった。けど、バラって見るからに難しい。しかも脆くなるな。と思って「考えとくわ」程度に返答をしたのだった。その頃きゃろくろは別件で忙しく、ガラスの時間が取れない日々が続いていた。それが終わってガラスに戻ってきて、何作ろう?って時に出てきたのがバラだった。
あれだけ友人の熱意を聞いたし、ひとまず作ってみるか。
昔、花を作ろうとしたことはあった。花びらをつなぎ合わせる部分が脆く割れやすく難しかった。その時はできなかったが今回は別の方法が頭に浮かんでいたのでそれを使った。
新しい方法を試すのはワクワクする。花びらを一枚一枚作ってつなぎ合わせる。失敗して諦めそうになる。もう一度繋ぎ合わせる。何度も粘り強く挑戦して1輪のバラが出来上がった。
まだ完成ではない。
バラは脆い。少しの衝撃で花びらの付け根が折れてしまう。これを解決する方法を探した。
一つ目の策はガラスの管の中に入れてしまうこと。バラに触れなければ壊れることはないという考えだ。問題点はバラを支えられるのがバラの茎の先端しかないこと。やってみたがガラスの管を閉じるのが難しかった。ガラスは滑らかに繋がないとそこから日々が入って割れてしまう。ガラス管を扱うのに慣れていないのもあった。強度も担保できそうにないので他の方法を考えた。
二つ目の策はあみあみのガラスで囲うこと。あみあみのガラスで囲えばバラに手が触れることが少なくなる。ガラスを編んで囲いを作るのはできると思う。ガラスペンでも使った技法だし自分の技術的にもがんばればできる。時間がかかるなあとは思った。
でも時間がかかるからといって諦めなかった。ガラスが楽しくて夢中になっていた。
そしてあみあみで囲われたバラができた。
制作期間は2日にわたった。夢中で作品を制作した。完成した時も嬉しかった。子供の頃に色々作っていた時の楽しさを思い出した。


2作目はふんわりとした赤いバラ、3作目はピンクのバラを作った。友人に写真を見せたら大歓喜していた。友人の希望のキャロちゃんではなくバラ1輪になったが喜んでもらえてよかった。
ガラスでやっていこう。人が喜ぶものを作れるんだ。
時間がかかっても自分の考えやイメージを形にすることで感動してもらえる。ガラスの奥深いところの入り口に立った気分だった。
ガラス、まだまだ深い……。



ガラスを始めた理由
きゃろくろがガラスを始めたきっかけを話していこう。
2009年ごろ、きゃろくろはいろんなことがあり社会で人と関わって生きていくことに不安を覚えていた。インターネットを徘徊しているととある作家さんのとんぼ玉なるものが高価で販売されているのを見つけた。自分もそのようなものを作って販売すれば生計を立てれられるのではないか。という極めて生活に根付いた理由からだった。思い立ったが吉日とすぐさまとんぼ玉教室の門を叩いた。
幼少期からキラキラするものが好きでガラスやアクリル、天然石などに興味を持っていた。小中学生の頃、テレビで見た吹きガラスの制作風景を見て憧れたことも覚えている。職人の世界は厳しいのだろうなと思い、”将来なりたい仕事”にはしなかった。
そうしてきゃろくろはガラスの世界に一歩足を踏み入れることになった。
ガラスを始めたきっかけは生きていくため。
そして、創作の奥深さを10年以上後に知る。




略歴
1987年 奈良県に生まれる。
2011年 ガラスでの作品制作を始める。
大鎌章弘氏にとんぼ玉を学ぶ。
2012年 網野篤子氏にガラス細工を学ぶ。
2013年 大阪芸術大学短期大学部通信教育部卒業。
同学卒業制作「海月」最優秀賞受賞。
2014年 第9回ジャパンランプワークソサエティ公募展「くらげ」にて
作品名「ミズクラゲ」入選。
2016年 きゃろくろガラス工房として作品制作、販売を始める。
2022年 KOBEとんぼ玉ミュージアム企画展「ガラスペン」に作品を出品。
2023年 東京にある日本橋三越本店「三越文具フェア2024」に作品を出品。
2024年 KOBEとんぼ玉ミュージアム企画展「アートなガラスペン」に作品を出品。
ほか、さまざまなイベントに作品を出品。





